2022年05月23日

季節の星座案内 〜おとめ座〜

★ 春を代表する星座です。20時〜21時頃の時間帯だと、4月〜7月ごろに見ることができます。1等星スピカから右上に「Y」の字に星が並んでいます。全天で2番目に大きい星座です。(1番は同じ春の星座のうみへび座)

星図カラー202206月.png

★ おとめ座の物語
ギリシャ神話の正義の女神アストライアーのすがただとする説もありますし、大地・農業の女神デーメーテールのすがたとする説もあります。秋分のころ(麦の種まきの時期)、太陽がおとめ座の方向にあるので、農業と関係が深いと考えられているようです。

おとめ座a.png

★ おとめ座の天体
★ スピカ
おとめ座の1等星で、おとめの左手にあります。名前は麦の穂を意味しています。とても温度が高い(20,000〜25,000度)ことが分かっていて、青白くかがやいて見えます。

★ おとめのリボン
スピカの右側にリボン★のように星が並んでいます。双眼鏡で見ることができます。

★ おとめ座銀河団
地球からおとめ座の方向5,000万〜7,000万光年のきょりにある、約2,000個の銀河の集まりです。ほとんどの銀河は大きな望遠鏡でなければ見られませんが、おとめ座銀河団の中で最も明るいMメシエ87は、小さな望遠鏡でもぼんやりと見えます。Mメシエ87は、中心にブラックホールがあることが、2017年のEHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)の観測でたしかめられました。

おとめ座b.png
スピカ.png
おとめ座銀河団.png



紫色の大きい円は6〜8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5枚目の画像はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)の画像です。
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2022年05月06日

みずがめ座η(エータ)流星群

★ みずがめ座η(エータ)流星群が観望好期です。
明け方の2時〜4時頃、1時間に数個程度の流れ星がみずがめ座のあたり(放射点)から流れるのが見られます。今年は月明かりもなく好条件です。

★ 最もたくさん見えると予想されるのは、5月6日未明ですが、前後1〜2日間も同じくらいの数が見えると予想されます。6日は朝から学校や仕事があるという人もいるでしょうし、晴れるとは限りませんので、5日未明や7日未明にも見てみると良いでしょう。
★ 「みずがめ座η流星群」という名前ですが、流れ星はみずがめ座(東の空)に限らず、夜空のどこにでも現れますので、望遠鏡や双眼鏡は使わず、肉眼で夜空全体を観察しましょう。
★ 街灯や家の灯りが目に入らない、なるべく暗い場所で観察しましょう。暗い場所に行ってから、暗さに慣れて流れ星が見えるようになるまで時間がかかります。最低でも20分間は観察を続けましょう。
★ 4時頃になると、東〜南東の空に金星、木星、火星、土星の4惑星が一直線に並んでいるのが見られます。あわせて観察してみましょう。

みずがめ座η流星群5月6日3時.png

みずがめ座η流星群5月6日4時.png
タグ:流星群
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2022年05月01日

5月の月

★ 5月の月の満ち欠けと出入り時刻です。
日の入り〜21時の時間に月が見えるのは、5月2日〜17日の間です。逆に5月18日〜30日の間は、日の入り〜21時の時間、月明かりがなく星が見やすいです。

 日付  月の出・月の入(奈良市)
05/01 05:17 19:06 ● 新月
     02 05:48 20:06
     03 06:22 21:05
     04 07:01 22:03
     05 07:45 22:56
     06 08:35 23:45
     07 09:30 00:28(翌日)
     08 10:27 01:06( 〃 )
     09 11:27 01:39( 〃 ) ◐ 半月
     10 12:28 02:09( 〃 )
     11 13:29 02:37( 〃 )
     12 14:32 03:05( 〃 )
     13 15:36 03:34( 〃 )
     14 16:44 04:05( 〃 )
     15 17:55 04:41( 〃 )
     16 19:09 05:23( 〃 ) ○ 満月
     17 20:25 06:14( 〃 )
moon.jpg
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2022年04月30日

季節の星座案内 〜しし座〜

★ 春を代表する星座です。20時〜21時頃の時間帯だと、2月〜7月ごろに見ることができます。1等星レグルスの上の「?」を逆さまにしたような星のならび(ししの大がま)がししの頭を表していて、その左側に胴体があります。

星図カラー05月.png

★ しし座の物語
ギリシャ神話では、勇者ヘラクレスが退治した、ネメア(ギリシャの地名)の谷にいたライオンの怪物だとされています。
しし座a.png

★ しし座の天体
★ レグルス
しし座の1等星です。
くわしい研究では、16時間で1回転(時速100万km)という高速で自転していることが分かっています。あまりに速く回転しているため、遠心力で回転方向にふくらんだだ円形をしていると考えられています。
★ しし座の三つ子銀河
しし座の後ろ足の根本にあるうずまき銀河です。地球から3,500万光年の距離にあります。
M65、M66、NGC3628という3つのうずまき銀河が集まっていて、「しし座の三つ子銀河」と呼ばれています。
双眼鏡で見るのはむずかしいですが、M65、M66の2つは小さな望遠鏡だとぼんやりと分かります。
★ しし座タウ星
黄色い星と青い星の二重星です。双眼鏡でも2つの星に分かれて見えます。
★ しし座83番星
2つのオレンジ色の星の二重星です。双眼鏡では2つの星に分けるのはむずかしいかも知れません。望遠鏡を使うと2つの星に分かれて見えます。


しし座b.png

LeoTriplet.png

TauLeo83Leo.png

紫色の大きい円は6〜8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5枚目の画像はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)の画像です。

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2022年03月29日

季節の星座案内 〜かに座〜

★ 20時〜21時頃の時間帯だと、1月〜6月頃に見ることができます。一番明るい星でも4等星なので、街中では見ることがむずかしいでしょう。ふたご座としし座の間を双眼鏡で探してみましょう。

星図カラーかに座.png

★ かに座の物語
ギリシャ神話では、勇者ヘラクレスがギリシャのアルゴリスにすむ大蛇・ヒドラを退治をしたときに、ヒドラに加勢したお化けがにだとされています。お化けがにはヘラクレスにふみつぶされてしまいました。

かに座1.png

★ かに座の天体
★ プレセペ星団(Mメシエ44)
かに座の真ん中にある星団(星のあつまり)です。地球から600光年の距離にあります。4つの4等星、5等星にかこまれているのが目印です。満月の3倍くらいの大きさに広がっているので、望遠鏡よりも双眼鏡のほうが分かりやすいです。空が暗いところでは肉眼でもぼんやりと見えます。

★ Mメシエ67
かに座の下の方にある星団(星のあつまり)です。地球から2,700光年の距離にあります。双眼鏡だとぼんやりとしたかたまり、望遠鏡だと細かい星が集まっているようすを観察できます。

★ かに座イオタ星
黄色い星と白い星の二重星です。小さな望遠鏡でも2つの星に分かれて見えます。

★ かに座X星
炭素星というとても赤い星です。双眼鏡か望遠鏡で観察してみましょう。

かに座2.png

紫色の大きい円は6〜8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2、3枚目の画像はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)の画像です。

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2022年03月01日

3月の星空

星図カラー03月a.png

★ 3月中旬から5月上旬にかけて、明け方の東の空では惑星が大集合します。3月は、中旬に金星と火星が、下旬に金星と土星が接近します。少し早起きして観察してみましょう。

★ 注目の天文現象
星2 16日ごろ:金星と火星が接近
星2 16日〜19日:ISS(国際宇宙ステーション)が上空を通過
星2 29日ごろ:金星と火星が接近

★ 今月の惑星
水星 ★ 太陽に近く観望に適しません。
金星 ★ 明け方の南東の空低くに見えます。
火星 ★ 太陽に近く観望に適しません。
木星 ★ 太陽に近く観望に適しません。
土星 ★ 太陽に近く観望に適しません。

★ 日の出・日の入り時刻【奈良市】
  1日 出 6:26 / 入り 17:52
11日 出 6:13 / 入り 18:01
21日 出 6:00 / 入り 18:09
31日 出 5:46 / 入り 18:17

★ 月の満ち欠けと月の出・月の入り時刻【奈良市】
  3日 ★ 朔 (新月)
     出 06:56/入 18:24
10日 ★ 上弦(半月)
     出 10:30/入 01:26(翌日)
18日 ★ 望 (満月)
     出 18:05/入 06:40(翌日)
25日 ★ 下弦(半月)
     出 00:54/入 10:33

星図カラー03月b.png
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2022年02月18日

季節の星座案内 〜ふたご座〜

★ 20時〜21時頃の時間帯だと、12月〜5月頃に見ることができます。

星図_202202a.png


★ ふたご座の物語
ギリシャ神話では、スパルタ(昔のギリシャにあった国)の王子カストル(兄)とポルックス(弟)のふたごの姿とされています。向かって右側が先に上ってくるので、お兄さんのカストルと覚えるとよいでしょう。

ふたご座1.png

★ ふたご座の天体
★ カストル
カストルが2等星(1.6等級)なのに対し、ポルックスは1等星(1.2等級)で、お兄さんの方が約1.5倍暗いです。
カストル自体も双子で、100倍くらいの望遠鏡で見ると、2つに分かれて見える重星です。くわしい研究では、実は6つの星がおたがいを回っている6重星であることが分かっています。

★ ポルックス
ポルックスが1等星(1.2等級)なのに対し、カストルは2等星(1.6等級)で、弟の方が約1.5倍明るいです。
カストルと比べると、ポルックスはやや黄色っぽい色をしています。色の違いを観察してみましょう。

★ Mメシエ35
カストルの足元にある約500個の星のあつまりです。地球から2,800光年の距離にあります。16倍の望遠鏡でも星の集まりが分かります。

★ 天の川
ふたご座の足のあたりは天の川が流れています。双眼鏡や望遠鏡で見ると、視野いっぱいに広がるたくさんの星を見ることができます。

ふたご座2.png

紫色の大きい円は6〜8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
(2、3枚目の画像はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成)
タグ:星座案内
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2022年02月01日

2月の星空

星図_202202a.png

★ 火星、木星、土星などの明るい惑星が20時〜21時ごろの時間帯に見えるのは8月ごろまでおあずけですが、4月ごろまで「冬のダイアモンド」とよばれる7つの1等星を見ることができます。その中で、ぎょしゃ座のカペラの南あたりから、オリオン座のベテルギウスの北のあたりを通って、おおいぬ座のシリウスの北にかけて天の川が流れています。街中では天の川を見ることはできませんが、双眼鏡を使うと、視野いっぱいにたくさんの星を見ることができます。

★ 注目の天文現象
星2   3日〜7日:ISS(国際宇宙ステーション)が上空を通過
星2   6日〜20日ごろ:水星の観望好期
星2 13日:金星が最大光度

★ 今月の惑星
水星 ★ 6日〜20日ごろ、日の出前の南東の空低くに見えます。
金星 ★ 明け方の南東の空低くに見えます。
火星 ★ 太陽に近く観望に適しません。
木星 ★ 太陽に近く観望に適しません。
土星 ★ 太陽に近く観望に適しません。

★ 日の出・日の入り時刻【奈良市】
  1日 出 6:55 / 入り 17:26
11日 出 6:47 / 入り 17:36
21日 出 6:36 / 入り 17:45

★ 月の満ち欠けと月の出・月の入り時刻【奈良市】
  1日 ★ 朔 (新月)
     出 07:08/入 17:17
  8日 ★ 上弦(半月)
     出 10:50/入 00:44(翌日)
17日 ★ 望 (満月)
     出 17:09(前日)/入 07:11
24日 ★ 下弦(半月)
     出 00:42/入 10:53

星図_202202b.png
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2022年01月23日

季節の星座案内 〜おうし座〜

★ 20時〜21時頃だと、11月〜3月頃に見ることができます。

星図_202201a.png


★ おうし座の物語
ギリシャ神話では、フェニキア(今のレバノンあたり)の王女エウロパをさらうために、大神ゼウスが変身した白い牛の姿だとされています。

おうし座1a.png



★ おうし座の天体
★ アルデバラン
オレンジ色に輝く1等星です。牛の右目にあたります。地球から70光年のきょりにあって、太陽の40倍もの大きさがあります。

★ ヒアデス星団
アルデバランからVの字に並ぶ星のあつまりです。牛の顔にあたります。肉眼でも星がVの字に並んでいる様子が分かります。双眼鏡で見ると、星が視界いっぱいに見えて、とてもにぎやかです。望遠鏡だと視界からはみ出してしまいます。アルデバランはたまたま同じ方向に見えるだけで、ヒアデス星団のメンバーではありません。

★ プレアデス星団
牛の背中にある星のあつまりです。肉眼でも5〜6個の星が集まっている様子が分かります。地球から150光年の距離です。双眼鏡でも楽しめますし、望遠鏡で観察するのも良いでしょう。日本語では「すばる」という名前がついています。

★ デイビスの犬
ヒアデス星団のとなりにある、小さな犬の形をした星のならびです。地球から見て、たまたまならんで見えるだけで、実際に犬の形に星が集まっているわけではありません。双眼鏡で星の並びを観察してみましょう。ダックスフントに見えると言う人もいるし、ビーグルに見えるという人もいます。みなさんは何に見えるでしょうか?


おうし座1b.png
おうし座2.png

紫色の大きい円は6〜8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
(2〜4枚目の画像はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成)
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2022年01月03日

しぶんぎ座流星群

★ 三大流星群の1つ、しぶんぎ座流星群の活動がピークを迎えます。1月4日0時(3日24時)〜6時ごろにかけて、たくさんの流れ星が見られると予想されます。
今年は月明かりもなく、ピーク時刻も明け方頃と予想されていて、8年に一度となる好条件です。奈良市内でも、多いときで1時間に10個前後の流れ星が見られるでしょう。夜3時を過ぎてから流れ星の数が増えると予想されていますので、夜ふかしするよりも、朝4時〜5時ごろに早起きして見たほうが良いかも知れません。
★ 「しぶんぎ座」というのは、うしかい座とりゅう座の間に昔あった星座で、現在はありません。チリの粒が昔のしぶんぎ座の方向(「放射点」といいます)の宇宙から地球に飛び込んで来て、流れ星となって見えるので、「しぶんぎ座流星群」という名前がついています。しかし、流れ星はしぶんぎ座に限らず、夜空のどこにでも現れるので、望遠鏡や双眼鏡は使わず、肉眼で夜空全体を観察しましょう。
★ 街灯や家の灯りが目に入らない、なるべく暗い場所で観察しましょう。暗い場所に行ってから、暗さに慣れて流れ星が見えるようになるまで時間がかかります。最低でも20分間は観察を続けましょう。また、この季節の屋外はとても冷えます。しっかり寒さ対策をして観察しましょう。

しぶんぎ座流星群_20220103a.png
タグ:流星群
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