2023年08月30日

季節の星座案内 〜はくちょう座〜

★ 1等星デネブと5つの2〜3等星が十字の形にならんでいて、見つけやすい星座です。「南十字」に対して「北十字」(ノーザンクロス)ともよばれます。はくちょう座は天の川の中にあるので、双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうで見るとたくさんの星を見ることができます。20時〜21時ごろの時間だと、7月〜11月ごろに見ることができます。

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★ はくちょう座の物語
古代バビロニア時代(今から4,000年〜3,000年くらい前)は、ウカドゥクカというあらし怪物かいぶつのすがたの一部とされていました。
ギリシャ神話では、大神ゼウスがスパルタ(現在げんざいのギリシャ)の王妃おうひレダに会いに行くとき変身へんしんした白鳥のすがたとされています。そのときレダがんだのがふたご座のカストルとポルックスとされています。
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★ はくちょう座の天体
★ デネブ
はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルの3つの1等星は「夏の大三角」とよばれ、理科の教科書にも出てきます。
ベガとアルタイルは地球からやく20光年と近くにありますが、デネブは1等星の中では一番遠い約1,400光年の距離きょりにあり、じっさいの明るさは太陽の5万倍というとても明るい星です。

★ はくちょう座オミクロン星
オミクロン1星とオミクロン2星は4等星の二重星で、双眼鏡でデネブと同じ視野しやに見れます。空の暗い場所では、2つの星がならんでいるのが肉眼にくがんでも見えます。
オミクロン1星を双眼鏡や望遠鏡で見ると、さらに30番星と31番星という2つの星に分かれて見えます。

★ サドル付近ふきん
サドルは、はくちょう座の十字が交差こうさしているところの2等星です。サドルの近くは天の川がくなっていて、双眼鏡や低倍率ていばいりつの望遠鏡で見ると視野いっぱいに星がたくさん見れます。

★ アルビレオ
はくちょうのくちばしにあたる星で、オレンジ色の3等星と青白い5等星の対比たいひが美しい二重星です。20倍以上の望遠鏡ぼうえんきょうで見ることができます。
宮沢賢治みやざわけんじの『銀河ぎんが鉄道の夜』にも登場し、宝石ほうせきのサファイアとトパーズにたとえられています。
「もうここらは白鳥区のおしまいです。ごらんなさい。あれが名高いアルビレオの観測所です。」
窓の外の、まるで花火でいっぱいのような、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四むねばかり立って、その一つの平屋根の上に、もさめるような、青宝玉サファイア黄玉トパースの大きな二つのすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました。


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デネブ、οCyg.jpg
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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜6まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
リンク先は 国立天文台ギャラリー です。
タグ:星座
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2023年07月03日

季節の星座案内 〜こと座、わし座〜

★ こと座は1等星ベガ、わし座は1等星アルタイルがあって、どちらも見つけやすい星座です。20時〜21時ごろの時間だと、こと座は6月〜11月ごろ、わし座は7月〜10月ごろに見ることができます。

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★ こと座、わし座の物語
ギリシャ神話では、こと座は竪琴たてごとの名手オルフェウスの竪琴、わし座は全能ぜんのうの神ゼウスがトロイヤ(現在のトルコ北西にあった国)の王子ガニメデを神々の給仕きゅうじにしようとさらったときに変身へんしんしたわしのすがたとされています。
日本や中国では、ベガは、天帝てんていのむすめ織姫おりひめ、アルタイルは牛いの彦星ひこぼしとされています。二人はなかのよい夫婦ふうふでしたが、天帝のいかりを買って、天の川の両岸りょうがんにわかれさせられています。年に一度、七夕の夜にだけ会うことがゆるされているというお話は、みなさん知っていますね。

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★ こと座、わし座の天体
★ 夏の大三角
こと座のベガ、わし座のアルタイルと、はくちょう座のデネブの3つの1等星をつないでできる三角形は「夏の大三角」とよばれます。理科の教科書にも出てきますね。

★ こと座イプシロン星
こと座にある5等星と6等星の二重星です。双眼鏡そうがんきょうで見ると2つの星に分かれて見えますが、100倍以上いじょう望遠鏡ぼうえんきょう観察かんさつすると、それぞれがさらに二重星に分かれて見えます。つまり、二重星の二重星(四重星)で、ダブル・ダブルスターとよばれます。

★ こと座デルタ星
オレンジ色の4等星と青白い6等星の対比たいひが美しい二重星です。双眼鏡そうがんきょうで2つの星がならんで見えます。

★ わし座〜たて座のCの字
わし座のしっぽからとなりのたて座にかけて、3等星〜5等星がCの字にならんでいます。双眼鏡そうがんきょうで観察してみましょう。

こと座、わし座b.jpg
ベガ、εLyr、δLyr.jpg
わし座〜たて座のC.jpg

むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
リンク先は 国立天文台ギャラリー です。
タグ:星座
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2023年06月10日

季節の星座案内 〜へびつかい座、へび座〜

★ へびつかい座は、さそり座の上に、2等星と3等星が7つ、将棋しょうぎこまのような大きな5角形にならんでいて見つけやすい星座です。へびつかい座の右にへび座の頭が、左にしっぽがありますが、それぞれ3等星より明るい星は1つずつしかなく、へびの形はたどりにくいです。
20時〜21時ごろの時間だと、6月〜9月ごろに見ることができます。

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★ へびつかい座、へび座の物語
古代メソポタミア(3千〜5千年前)では、いくさの神ザババとされていました。
ギリシャ神話では、医学の神アスクレピオスのすがただとされています。どくを持っていたり、脱皮だっぴによって若返わかがえるヘビは昔から医療いりょうのシンボルとされてきました。WHO(世界保健機関)のマークにも、ヘビがまきついたつえがえがかれています。
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★ へびつかい座、へび座の天体
★ へびの頭
へびの頭にあたる部分に4等星が三角形にならんでいます。双眼鏡そうがんきょう視野しやにちょうどおさまります。

★ IC4665
へびつかいの右かたの2等星ケバルライの少し上にある星の集まりです。双眼鏡そうがんきょうで同じ視野しやに見えます。やく30の星が集まっています。地球から1400光年のきょりにあります。

★ NGC6633
ひらがなの「し」の字の形に数十個の星が集まった星団せいだんです。地球から1000光年のきょりにあります。双眼鏡そうがんきょう観察かんさつしてみましょう。

★ IC4756
NGC6633のすぐ左にある星団です。数十個の星が集まっています。双眼鏡そうがんきょうだと、2つの星団が同じ視野に見えます。IC4756は星がまばらなので、街中まちなかでは少し見えづらいかも知れません。地球から1300光年のきょりにあります。

★ Mメシエ5
10万個以上いじょうの星が丸く集まっている球状きゅうじょう星団というしゅるいの星の集まりです。地球から2万5000光年と遠くにあります。双眼鏡そうがんきょうでも小さな光のにじみのように見えますが、ぜひ望遠鏡ぼうえんきょう拡大かくだいして観察かんさつしてみましょう。

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へびの頭.jpg
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NGC6633、IC4756a.jpg
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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜7まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
各天体のリンク先は栗田直幸さんのサイトStellar Scenes の写真です。
タグ:星座
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2023年05月15日

季節の星座案内 〜うしかい座〜

★ 北斗七星ほくとしちせいのカーブをのばすとうしかい座の星々をたどって1等星アークトゥルスにたどり着きます。アークトゥルスをむすび目にして、2〜3等星が(さかさまの)ネクタイのような形にならんでいて見つけやすい星座です。20時〜21時ごろの時間だと、4月〜8月ごろに見ることができます。
北斗七星からアークトゥルスまでのカーブをのばすと、おとめ座のスピカにたどり着きます。これは「春の大曲線」とよばれます。

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★ うしかい座の物語
古代メソポタミア(3千〜5千年前)では、天の星を動かすシュパという神様とされていました。
ギリシャ神話では、女神アルテミスのいかりを買ってくまにされたニンフ(妖精ようせい)カリスト(おおぐま座)の息子アルカスのすがただというお話があります。
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★ うしかい座の天体
★ アークトゥルス
オレンジ色にかがやく1等星です。地球からのきょりは37光年で、夜空に見える星の中ではかなり近くにある星です。「アークトゥルス」は「くまを守るもの」という意味です。熊というのはおおぐま座のことです。
中国では、青龍せいりゅうの角に見たてて「大角」とよばれていました。日本では麦を収穫しゅうかくする夏のはじめに見えるので「麦星」とよばれていました。
★ アルカルロプス(うしかい座ミュー星) 白い星が2つならぶ二重星です。「アルカルロプス」は「羊いのつえ」という意味です。
双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょう観察かんさつしてみましょう。
★ うしかい座ニュー星 オレンジ色と水色の2つの星がならぶ美しい二重星です。
双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうで観察してみましょう。
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μBoo.png
νBoo.png

むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
タグ:星座
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2023年04月16日

季節の星座案内 〜おおぐま座、こぐま座〜

★ 1等星はありませんが、おおぐま座は北斗七星ほくとしちせい(2等星が6つと3等星が1つ)、こぐま座は北極星ほっきょくせい(2等星)を目じるしに見つけやすい星座です。20時〜21時ごろの時間だと、おおぐま座は2月〜7月ごろに、こぐま座は1年中見ることができます。北斗七星のひしゃくの先をのばすと北極星が見つかります。

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★ おおいぬ座、こいぬ座の物語
古代メソポタミア(3千〜5千年前)では、おおぐま座(北斗七星の部分)とこぐま座は「荷車にぐるま」の星座でした。
中国ではおおぐま座は「北斗七星」の名前の通りひしゃく(斗)、北極星は「太一たいいつ」といって神様の星とされてきました。
ギリシャ神話では、父である神クロノスからころされそうになった赤んぼうの大神ゼウスをかくまって育てた、ニンフ(妖精ようせい)ヘリケーとキュノスラのすがたとされています。おおぐま座は、りの女神アルテミスのいかりを買ってくまにされたニンフ(妖精ようせい)カリストのすがたというお話もあります。
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★ おおぐま座、こぐま座の天体
★ おおぐまの足
おおぐまの足の先にあたる部分に、星が2つずつ3組ならんでいます。4本足になっているとすばらしいのですが、左前足にあたる部分に目立つ星のならびはありません。
★ ミザールとアルコル
北斗七星の右から2つ目の星は1つに見えますが、よく見るとミザールとアルコルという2つの星に分かれて見える二重星です。目がよい人は肉眼にくがんでも見分けられるでしょう。双眼鏡そうがんきょうだとかんたんに2つの星に分かれて見えます。マンガ「北斗のけん」や「聖闘士星矢セイントセイヤ」などにも登場します。
★ Mメシエ81
地球から1200万光年のきょりにある渦巻うずまき銀河ぎんがです。銀河としてはとても近くにあり、双眼鏡でもぼんやりとにじんだような光のかたまりが見えます。Mメシエ82という銀河もすぐそばに見えます。
★ 北極星のリング
北極星をかこんで、7〜9等星が7、8個にならんでいて、北極星の指輪のように見えます。
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ミザール.png
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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼そうがんきょう鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜7まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。

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2023年03月05日

天体観望会を開催しました

★ けいはんな記念公園で天体観望会かんぼうかい開催かいさいしました。雨やくもりによる中止や冬の間のお休みがあったため、10月以来いらい5か月ぶりの開催となりました。
★ 今回はじめてのこころみとして、望遠鏡ぼうえんきょう映像えいぞうをディスプレイにうつしながら、望遠鏡も直接ちょくせつのぞいていただける「ハイブリッド方式」の観望会をしました。
お天気は快晴かいせいで、参加さんかしたみなさまには、接近せっきん中の木星と金星、月、火星、プレアデス星団せいだん(すばる)、オリオン大星雲(M42)、M41(おおいぬ座の散開さんかい星団)、おおいぬ座145番星(二重星)、おおいぬ座τタウ星団(NGC2362)、M47(とも座の散開星団)を見ていただきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました★

次回は4月8日(土)19:00〜20:30です。

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2023年02月11日

季節の星座案内 〜おおいぬ座、こいぬ座〜

★ おおいぬ座はシリウス、こいぬ座はプロキオンとそれぞれ1等星があり、どちらも見つけやすい星座です。20時〜21時ごろの時間だと、1月〜4月ごろに見ることができます。
おおいぬ座とこいぬ座の間には天の川が流れていて、いっかくじゅう座という星座がありますが、4等星より暗い星しかないので、星座の形を見つけるのはむずかしいです。

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★ おおいぬ座、こいぬ座の物語
古代メソポタミア(3千〜5千年前)では、おおいぬ座は弓矢の星座でした。シリウスが矢じりにあたります。
古代エジプト(2千〜5千年前)では、シリウスは豊穣ほうじょうの女神ソプデトとされ、シリウスが夜明け前の東の空に見えるようになると、ナイル川の増水ぞうすいが始まることから、こよみのもととなる重要じゅうような星でした。
ギリシャ神話ではどんな獲物えものも決してにがさない神犬ライラプスのすがただとも、狩人かりうどオリオンの猟犬りょうけんのすがただともされています。
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★ おおいぬ座、こいぬ座の天体
★ シリウス
全天でもっとも明るい1等星です。地球から9光年の近さにあり、太陽をのぞくと7番目に近い恒星こうせいです。シリウスはギリシャ語で「きこがすもの」という意味です。オリオン座の三ツ星を左下にのばすとシリウスを見つけられます。
★ プロキオン
地球から11光年の近さにあります。プロキオンはギリシャ語で「犬の前」という意味で、シリウスより少し早く上ってくることから名づけられました。シリウス、プロキオンとオリオン座のベテルギウスの3つの1等星をつないでできる三角形は「冬の大三角」と呼ばれています。
★ Mメシエ41
シリウスのすぐ下にある星団せいだんです。6〜8倍の双眼鏡そうがんきょうだとシリウスと同じ視野しやに見えます。望遠鏡ぼうえんきょうで見ると視野いっぱいに星が広がります。
★ おおいぬのしっぽ
おおいぬ座のおしりのあたり、2等星ウェゼンをかこむように「C」の字に星がならんでいます。
★ Crコリンダー140
おおいぬ座の下の方にある星団です。色とりどりの星が集まっています。

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M41.png
おおいぬのしっぽ.png
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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼そうがんきょう鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜7まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
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2023年01月11日

季節の星座案内 〜オリオン座〜

★ 2つの1等星ベテルギウスとリゲル、5つの2等星があり、全天でもっとも見つけやすい星座でしょう。20時〜21時ごろの時間だと、12月〜3月ごろに見ることができます。

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★ オリオン座の物語
古代メソポタミア時代(今から6千年〜4千年くらい前)は、羊いの星座でした。
ギリシャ神話では、海の神ポセイドンの息子で狩人かりゅうど巨人きょじんオリオンのすがたとされています。キオス島のライオンを退治たいじした棍棒こんぼうを右手に、そのライオンの毛皮を左手に持ったすがたでえがかれます。

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★ オリオン座の天体
★ ベテルギウス
オリオン座の左上にあるオレンジ色の1等星です。地球から550光年のきょりにあり、大きさが太陽の1000倍という超巨星ちょうきょせいです。星の一生の最期さいごをむかえて不安定ふあんていになっていると考えられていて、明るさが2〜3倍変化へんかします。2020年はじめには2等星にまで暗くなったことがあります。
★ リゲル
オリオン座の右下にある青白色の1等星です。地球から900光年のきょりにあり、明るさが太陽の20万倍というとても明るい星で、1万光年はなれていたとしても肉眼にくがんで見ることができます。リゲルはアラビア語で「足」という意味です。
★ 三ツ星と「S」
オリオンのベルトの位置いちにミンタカ、アルニラム、アルニタクの三つの2等星がならんでいます。3つの星をつないだ線を左下にずっとのばすと、おおいぬ座の1等星シリウスがあります。双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうで見ると、ミンタカとアルニラムの間に「S」の字に星がならんでいるのが分かります。
★ Mメシエ42(オリオン大星雲)Mメシエ43
とても明るい星雲で、肉眼でも三ツ星の下にぼんやりと見えます。双眼鏡や望遠鏡を使うとよりはっきり見ることができます。
★ ラムダラムダ(Crコリンダー69)
ベテルギウスの右上の4等星、オリオン座λラムダ星のまわりの星団です。λラムダ星が「λラムダ」の形にならんでいるので、ラムダラムダと呼ばれています。
★ オリオンのたて、オリオン座W星
オリオン座の右がわに、6つの3等星〜5等星がたてにならんでいます。上からπパイ1、π2、π3、π4、π5、π6と名前がついています。星座絵ではライオンの毛皮にえがかれる事が多いですが、星のならびはオリオンの「盾」とよばれます。
π5星からπ6星の先にオレンジ色の6等星オリオン座W星があります。炭素たんそ星というしゅるいのとても赤い星です。

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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜7まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)の写真です。

タグ:星座
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2023年01月04日

しぶんぎ座流星群

★ 三大流星群りゅうせいぐんの1つ、しぶんぎ座流星群の活動がピークをむかえます。1月4日3時(未明みめい)〜6時ごろにかけて、1時間あたり5くらいの流れ星が見られると予想されます。
今年は月明かりもあり、ピーク時刻じこくも4日昼と予想されているので、条件じょうけんはあまりよくないです。明け方近くの方が月の高さもひくく、ピーク時刻に近くなるので、よりたくさんの流れ星を見ることができるでしょう。
★ 流れ星は、宇宙うちゅうにある大きさ1ミリ〜数センチメートルくらいの小さなつぶが秒速数十キロメートルの速さで地球にとびこんで来て、大気と衝突しょうとつして光を放つ現象げんしょうです。「しぶんぎ座」というのは、うしかい座とりゅう座の間に昔あった星座で、現在げんざいはありません。昔あったしぶんぎ座の方向(「放射点ほうしゃてん」といいます)からつぶがとびこんでくるので、「しぶんぎ座流星群」という名前がついています。しかし、流れ星はしぶんぎ座にかぎらず、夜空のどこにでもあらわれるので、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうは使わず、肉眼にくがんで夜空全体を観察かんさつしましょう。
★ 街灯がいとうや家のあかりが目に入らない、なるべく暗い場所で観察しましょう。西の方角に月明かりがありますので、月の方は見ないようにしましょう。暗い場所に行ってから、暗さになれて流れ星が見えるようになるまで時間がかかります。少なくとも20分間は観察をつづけましょう。また、冬の屋外はとてもひえます。寒くない服装ふくそうで観察しましょう。

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タグ:流星群
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2022年12月24日

季節の星座案内 〜ぎょしゃ座〜

★ 1等星カペラ、2つの2等星、2つの3等星で作られる5角形が見つけやすい星座です。ただし、2等星のエルナトはおうし座の星です。2022〜23年の冬は明るい火星がそばにあるので、より見つけやすでしょう。20時〜21時ごろの時間だと、11月〜4月ごろに見ることができます。
ぎょしゃ座は天の川が真ん中を流れていますので、たくさんの星々を見ることができます。

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★ ぎょしゃ座の物語
古代メソポタミア時代(今から6千年〜4千年くらい前)は、羊い(山羊飼い)のつえと羊(山羊)のむれを表していました。

ギリシャ神話では、戦車せんしゃをあやつるアテナイ(現在げんざいのアテネ)王のエリクトニオスとされています。戦車といっても現代のような戦車ではなく、戦争用の馬車(チャリオット)のことです。エリクトニオスは戦車に乗っているのですが、古代メソポタミア時代からのなごりなのか、子ヤギをだいた姿すがたでえがかれます。

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★ ぎょしゃ座の天体
★ カペラ
うす黄色の1等星です。地球から43光年のきょりにあります。カペラはラテン語でメスヤギという意味です。
★ 子ヤギ
ぎょしゃ座は子ヤギをだいた姿でえがかれるのですが、カペラの右下にある3つの3〜4等星が子ヤギにあたります。3つの星は、白色、青白色、オレンジ色と少しずつ色がちがうので、双眼鏡そうがんきょうで見くらべてみましょう。
★ チェシャねこ
『ふしぎの国のアリス』に登場するチェシャ猫のような、ニヤッとわらった大きな口と2つの目のように星がならんで見えます。双眼鏡で観察かんさつしてみましょう。
★ Melメロッテ31
5〜6等星が5つ細長くならんでいます。星のならびが「はねる小魚」に見えるという人もいます。双眼鏡で観察してみましょう。
★ Mメシエ36
地球から4100光年のきょりにある星団せいだん(星の集まり)です。双眼鏡ではぼんやりとした光のにじみのように見えます。望遠鏡を使うと、明るい星が数十個集まっている様子が観察できます。
★ Mメシエ37
地球から4500光年のきょりにある星団(星の集まり)です。双眼鏡ではぼんやりとした光のにじみのように見えます。望遠鏡を使うと、暗い(細かい)星が無数に集まっている様子が観察できます。

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子ヤギ.png
M36、チェシャ猫、Mel31.png
M37.png


紫色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜6枚目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
タグ:星座
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