2025年05月18日

季節の星座案内 〜りゅう座〜

★ 北の空、こと座のベガ(おりひめ星)の近くに三角形の頭があって、そこからひらがなの「て」の字の形に北斗七星ほくとしちせいと北極星の間まで星がつらなっている星座です。いちばん明るい星(エルタニン)でも2等星で、そのほかは3等星より暗く見つけにくい星座です。20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、4月〜10月ごろです。

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★ りゅう座の物語
古代エジプト(2千〜5千年前)では、タウエレトというカバのすがたをした女神とされていました。
ギリシャ神話では、黄金のリンゴの木を守るりゅうラドンのすがたとされています。ラドンは勇者ゆうしゃヘルクレスにたおされました。星図では、ヘルクレスとりゅうがとなりあってたたかっているように見えます。

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★ りゅう座の天体

★ りゅうの頭
双眼鏡そうがんきょう視野しやにすっぽり入る大きさで、4つの星が見えます。左下の星(ニュー星)は二重星で、望遠鏡ぼうえんきょう三脚さんきゃく固定こていした双眼鏡そうがんきょうで見ると、白色で同じ明るさの2つの星に分かれて見えます。

★ りゅう座カッパ星
りゅうのしっぽの方にある4等星です。青白い色をしていますが、オレンジ色の2つの5等星(4番星、6番星)にはさまれていて、3つの星の色のコントラストが美しいです。

★ そっくり二重星ペア
りゅう座の「て」のカーブの上あたりに、明るさ、色の組み合わせ(白とオレンジ)、間隔かんかく、はなれている方向がそっくりな二重星が2つならんでいます。

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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜6まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
タグ:星座
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2025年03月23日

季節の星座案内 〜りょうけん座〜

★ 北斗七星ほくとしちせいと、しし座、うしかい座にはさまれたところにある星座です。いちばん明るい星(コル・カロリ)でも3等星で、そのほかは4等星より暗い星で見つけにくい星座です。20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、3月〜8月ごろです。

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★ りょうけん座の物語
今から340年くらい前(17世紀せいき)に作られた新しい星座で神話などはありません。うしかい座がつれている猟犬りょうけんのすがたとされています。

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★ りょうけん座の天体
★ ラスペルバ
炭素たんそ星というしゅるいのとても赤い星です。やく160日周期しゅうきで、5等級から7等級まで明るさがわる変光星へんこうせいです。地球から760光年のきょりにあります。
★ コル・カロリ
3等星ですが、りょうけん座でいちばん明るい星です。望遠鏡ぼうえんきょうで見ると、3等星と6等星の2つの星に分かれて見える二重星です。どちらも白い色に見えます。30倍くらいの望遠鏡でも見ることができます。地球から120光年のきょりにあります。
★ Mメシエ3
50万の星がまるく集まった球状星団きゅうじょうせいだんというしゅるいの天体です。りょうけん座、うしかい座、かみのけ座のさかい目近くにあります。双眼鏡そうがんきょうではにじんだ光のように、望遠鏡ぼうえんきょうではたくさんの星がつぶつぶに見えます。地球から3万4千光年のきょりにあります。

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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜6まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
リンク先は、国立天文台ギャラリーです。
タグ:星座
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2025年02月10日

季節の星座案内 〜とも座〜

★ おおいぬ座の後ろ足の三角の左に2等星1つと3等星3つが、たて長の四角形にならんでいるので、それを目印に見つけましょう。とも座の中は天の川が流れているので、双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうを使うとたくさんの星が見られます。20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、2月〜3月ごろです。

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★ とも座の物語
もともとはアルゴ座という大きな船の星座でしたが、とても大きな星座だったので、今から100年くらい前に、とも座(船尾せんび)、りゅうこつ座(船底せんてい)、ほ座()の3つの星座に分けられました。

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★ とも座の天体

★ Mメシエ47
おおいぬ座のシリウスから左の方を双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうでたどってゆくと見える星の集まりです。地球から1600光年のきょりにあります。
M47のすぐ左どなりにはM46というべつの星団せいだんがありますが、双眼鏡そうがんきょうで見るのはむずかしいでしょう。

★ とも座QY星
M47の左にある二重星で、同じオレンジ色で明るさも同じ2つの6等星がならんで見えます。双眼鏡そうがんきょうでも2つの星に分かれて見えます。2つの星はたまたま地球から同じ方向に見えているだけで、左の星は2000光年のきょり、右の星は10000光年のきょりにあって、じっさいには遠くはなれています。

★ NGC2451
とも座の真ん中あたりにある星の集まりです。星がまばらに集まっている様子が、双眼鏡そうがんきょうで見えます。オレンジ色の明るい星が真ん中にあるのがとくちょうです。地球から600光年のきょりにある星の集まりと1200光年のきょりにある星の集まりが重なって、1つの星団せいだんに見えています。
NGC2451のすぐ左どなりにはNGC2477というべつの星団せいだんがありますが、こちらも、双眼鏡そうがんきょうで見るのはむずかしいでしょう。

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M47、QY-Pup.jpg
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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
リンク先は、栗田直幸さんのサイトStellar Scenesです。
タグ:星座
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2025年01月26日

季節の星座案内 〜うさぎ座〜

★ 2等星より明るい星がなく目立たない星座ですが、オリオン座のすぐ下にあるので見つけやすいです。3等星4つと4等星2つでカタカナの「エ」の字に星が小さくならんでいます。20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、12月〜3月ごろです。

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★ うさぎ座の物語
古代メソポタミア(3千〜5千年前)では、オスのニワトリのすがたとされていました。
ギリシャ神話では、おおいぬ座に追われるうさぎのすがたとされています。
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★ うさぎ座の天体

★ クリムゾンスター(うさぎ座R星)
炭素たんそ星というしゅるいのとても赤い星です。6等級から11等級までやく400日周期しゅうきで明るさが100倍いじょうわる変光星へんこうせいです。ちょうど今は11等級のいちばん暗い時期で、望遠鏡ぼうえんきょうでも観察かんさつはむずかしいでしょう。明るい時期が、うさぎ座が見える冬と重なるのは2027年よりあとになります。

★ うさぎ座ガンマ星
うさぎ座の「エ」の字の左下の星で、望遠鏡ぼうえんきょうで見ると2つの星に分かれて見える二重星です。小さな望遠鏡ぼうえんきょうでも白とオレンジの2つの星に分かれて見えます。地球から29光年ととても近くにある星の1つです。

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むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2、3まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
タグ:星座
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2024年12月26日

季節の星座案内 〜エリダヌス座〜

★ 2等星より明るい星がなく、3等星が3つ、あとは4等星より暗い星だけなので、見つけにくい星座です。
双眼鏡そうがんきょうで見ると、オリオン座のリゲルの右からスタートして、地平線の下で見れない1等星アケルナルの手前まで、星のならびを点々とたどってゆくことができます。20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、12月〜2月ごろです。

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★ エリダヌス座の物語
ギリシャ神話では、海の神オケアノスが生み出した3000の川の1つ、エリダヌス川とされています。
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★ エリダヌス座の天体

★ アケルナル
エリダヌス座のいちばん南にある青白い1等星ですが、日本のほとんどの場所では地平線の上に上らず、鹿児島より南でないと見ることができません。冬に沖縄や南の国に行く機会きかいがあったら見てみましょう。地球から140光年のきょりにあります。

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2、3まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
タグ:星座
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2024年11月28日

季節の星座案内 〜くじら座〜

★ しっぽにある2等星ディフダ、頭にある3等星メンカルは見つけやすいですが、ほかの星は暗いので星座全体の形は分かりにくいです。20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、11月〜1月ごろです。

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★ くじら座の物語
「くじら」という名前がついていますが、哺乳類ほにゅうるいのクジラではなく、海の怪物かいぶつケートスのすがたです。ギリシャ神話では、古代エチオピアの王女アンドロメダにおそいかかろうとしていたところを、勇者ゆうしゃペルセウスに退治たいじされています。

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★ くじら座の天体

★ くじらの耳
くじらの頭の右がわに、数字の「3」をうら返した形に星がならんでいます。双眼鏡そうがんきょうで見てみましょう。

★ クエスチョンマーク
くじらの頭に、クエスチョンマーク「?」の形に星がならんでいます。双眼鏡そうがんきょうで見てみましょう。

★ Mメシエ77
くじらの首のところにある渦巻うずまき銀河ぎんがです。中心がとても明るくかがやいている、セイファート銀河というしゅるいの銀河です。小さな望遠鏡ぼうえんきょうでは渦巻の部分は見えませんが、中心の明るい部分がぼんやりと見えます。地球から6,000万光年のきょりにあります。

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くじらの耳、クエスチョン.jpg
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むらさき色の大きい円は5倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(10度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
リンク先は、栗田直幸さんのサイトStellar Scenesです。
タグ:星座
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2024年10月09日

季節の星座案内 〜ケフェウス座〜

★ 2〜3等星5つが5角形にならんだ星座です。2等星が1つしかないので、まちなかでは見つけにくいでしょう。北極星ほっきょくせいの上、カシオペヤ座の左あたりをさがしてみましょう。
北極星のすぐ近くにあるため、地平線の下にしずまない星座ですが、20時〜21時ごろの時間に見やすいのは、8月〜12月ごろです。

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★ ケフェウス座の物語
ギリシャ神話では、古代エチオピアの王ケフェウスのすがたとされています。ケフェウスのつま王妃おうひ)がカシオペヤ、むすめ(王女)がアンドロメダです。
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★ ケフェウス座の天体
★ 王の円弧えんこ
ケフェウス座の左下の方に、3〜5等星が6つ弓なりにならんでいます。カーブをそのままのばすと北極星ほっきょくせいにたどりつきます。
★ ガーネット・スター
ケフェウス座の上の方にオレンジ色の目立つ星があります。天王星を発見したウィリアム・ハーシェルが、その赤い色から「ガーネット・スター」と名づけました。大きさは太陽の1400倍、明るさも太陽の30万倍というとても大きな、赤色せきしょく超巨星ちょうきょせいというしゅるいの星です。地球から3千光年のきょりにあります。
ガーネット・スターのあたりは天の川が流れていて、たくさんの星があります。双眼鏡そうがんきょうを使うと視野しやいっぱいに星を見ることができます。ぜひ観察かんさつしてみましょう。

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むらさき色の大きい円は5倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(10度)です。
2〜4まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
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2024年09月07日

季節の星座案内 〜ペガスス座〜

★ 長方形にならんだ4つの2〜3等星が「ペガススの四辺形しへんけい」または「秋の四辺形」として有名な、見つけやすい星座です。じつは四辺形の左上(北東)の星(アルフェラッツ)は、ペガスス座ではなく、アンドロメダ座の星です。20時〜21時ごろの時間だと、9月〜12月ごろに見ることができます。

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★ ペガスス座の物語
古代バビロニア(2,500年〜3,000年くらい前)では、四辺形しへんけいは大きな畑、または、バビロンの都を表しているとされていました。四辺形しへんけいをはさむうお座が、畑や都に水をもたらすチグリス・ユーフラテス川にあたります。
古代ギリシャ時代(今から2000〜2500年くらい前)には、勇者ゆうしゃペルセウスが怪物かいぶつメドゥーサをたおしたときに、その血から生まれた天馬のすがたとされました。
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★ ペガスス座の天体

★ Mメシエ15
10万以上いじょうの星がまるく集まった球状星団きゅうじょうせいだんというしゅるいの天体です。ペガススの鼻先、2等星エニフの先にあります。双眼鏡そうがんきょうではにじんだ光のように、望遠鏡ぼうえんきょうではたくさんの星がつぶつぶに見えます。地球から3万4千光年のきょりにあります。

★ ペガスス座51番星
太陽以外いがいの星に惑星わくせいがあることが、1995年にはじめて発見された星です。今では、ペガスス座51番星以外いがいにも、5千をこえる恒星こうせいに惑星があることが発見されています。「ペガススの四辺形しへんけい」の右わきにあります。ペガスス座51番星本体は5等星なので双眼鏡そうがんきょうでも見えますが、まわりをまわっている惑星は望遠鏡ぼうえんきょうを使っても見えません。地球から50光年のきょりにあります。

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むらさき色の大きい円は5倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(10度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
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タグ:星座
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2024年07月16日

季節の星座案内 〜ヘルクレス座〜

★ うしかい座の1等星アークトゥルスとこと座の1等星ベガの真ん中あたりに、3〜4等星が6つ「H」の形にならんでいます。いちばん明るい星でも3等星なので、街中まちなかでは見つけにくい星座ですが、全天で5番目に大きい星座です。20時〜21時ごろの時間だと、5月〜10月ごろに見ることができます。

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★ ヘルクレス座の物語
古代メソポタミア(今から3000〜5000年くらい前)では、健康けんこうと薬の女神グラのそばにすわる犬のすがたとされていました。
古代ギリシャ時代(今から2000〜2500年くらい前)には、勇者ゆうしゃヘルクレスのすがたとされていました。ヘルクレスは大神ゼウスとミケーネの王女アルクメネ(勇者ペルセウスとアンドロメダのまご)の間の子どもです。ヘルクレスはミケーネ王のエウリュステウスに12の怪物かいぶつ退治たいじを命じられました。しし座、うみへび座、かに座、りゅう座は、その冒険ぼうけんに登場する怪物のすがたです。

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★ ヘルクレス座の天体

★ Mメシエ13
数十万の星が丸く集まった球状星団きゅうじょうせいだんというしゅるいの天体です。ヘルクレスの「H」の右上の線のとちゅうに、双眼鏡そうがんきょうではにじんだ星のように、望遠鏡ぼうえんきょうではぼんやりとした光のかたまりのように見えます。地球から25,000光年のきょりにあります。

★ へびつかいのあせ
「へびつかいのあせ」という名前ですが、ヘルクレス座の3等星ラスアルゲティの右、へびつかい座のさかいめ近くにあります。5〜7等星8つくらいがつらなって見えます。右下の星々とあわせて「ステゴサウルスのように見える」という人もいます。双眼鏡そうがんきょう観察かんさつしてみましょう。

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むらさき色の大きい円は5倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(10度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜5まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
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2024年06月24日

季節の星座案内 〜かんむり座〜

★ うしかい座の左(東)にある星座です。街中まちなかでは肉眼にくがんで見える星は2等星が1つだけですが、5倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見ると、7つくらいの星が「C」の形にまるくならんでいるようすが分かります。20時〜21時ごろの時間だと、4月〜9月ごろに見ることができます。

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★ かんむり座の物語
古代ギリシャ時代(今から2000〜2500年くらい前)には、酒の神ディオニュソスがクレタ島の王女アリアドネにおくったかんむりまたはリースとされていました。
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★ かんむり座の天体
★ かんむり座νニュー
オレンジ色の5等星が2つならんだ二重星です。双眼鏡そうがんきょうで見ることができます。
★ カムイ(HD145457)
7等星で、双眼鏡そうがんきょうで見ることができます。
2010年、日本のすばる望遠鏡ぼうえんきょうを使った観測かんそくで、惑星わくせいがまわっていることが発見されました。2019年に、この星にカムイ(アイヌ語で「神」の意味)、まわっている惑星わくせいにチュラ(沖縄おきなわ方言で「美しい」の意味)という名前がつけられました。日本語の名前がついためずらしい星です。地球から400光年のきょりにあります。
★ かんむり座T星
ふだんは10等星で、望遠鏡ぼうえんきょうを使わないと見れない星ですが、およそ80年ごとにくりかえし爆発ばくはつをおこして2〜3等星まで(約1000倍に)明るくなる星(再帰さいき新星しんせい)です。次の爆発が今年2024年に起こると予想されています。明るくなるのは1〜2日だけなので見のがさないようにしましょう。地球から3000光年のきょりにあります。

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むらさき色の大きい円は5倍くらいの双眼鏡そうがんきょうで見えるはんい(10度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡ぼうえんきょう国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜4まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成さくせいしました。
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