
20時〜21時ごろの時間だと、7月〜8月ごろに見ることができます。1等星が1つ(アンタレス)、2等星が5つあって見つけやすい星座です。その名の通り、さそりのようなS字型の星のならびが分かりやすい星座です。


ギリシャ神話では、太陽神アポロンが乱暴者の狩人オリオンを殺すためにさしむけた毒さそりのすがたとされています。



赤い色をした1等星です。地球から550光年のきょりにあるので点にしか見えませんが、実際は、明るさは太陽の10万倍、大きさは太陽の700倍というとても大きな星です。

さそりののはさみにあたるパイ星(3等星)から左に、5〜6等星がきれいな弧をえがいてならんでいる様子が双眼鏡で観察できます。パイ星の下のロー星(4等星)がかなめとなっておうぎ形になっています。
パイ星には「ファン」という名前がついています。ファンは中国の星座(二十八宿)の一つで、漢字で書くと「房」です。
ロー星には「イクリール」という名前がついています。イクリールはイスラムの星座(月宿)の一つで、アラビア語で王冠の意味です。

3等星と4等星の二重星で、どちらも青白い色をしています。目のよい人は肉眼でも2つの星に見えるでしょう。
左の星が「ピピリマ」右の星が「ハミディムラ」という名前がついています。ピピリマはタヒチの昔話に登場するふたごの名前、ハミディムラはコイコイ人(南アフリカからナミビアに住んでいる人たち)の言葉でライオンの両目という意味です。

オレンジ色の4等星と青白い5等星の対比が美しい二重星です。
左側の4等星のほうが明るいですが、本当の明るさは右側の5等星のほうが明るく、くわしい研究では、太陽の200万倍というとてつもない明るさであることが分かっています。

ゼータ星の上に星がたくさん集まっている様子が双眼鏡でよく見えます。観察してみましょう。

さそりのしっぽの部分にある星の集まりです。双眼鏡で見ると「=ï=」のような形に星が集まっていることが分かります。その形から、蝶々星団ともよばれます。双眼鏡で見ると同じ視野の左側にM7が見えます。

さそりのしっぽの部分にある星の集まりです。とても明るく大きな星団です。空の暗いところでは肉眼でも見えるので、大昔から知られていて、今から約1900年前の古代ローマの天文学者プトレマイオスも記録をのこしています。双眼鏡で見ると「し」の字を左右さかさにしたような星のならびを観察できます。双眼鏡で見ると同じ視野の右側にM6が見えます。




紫色の大きい円は6〜8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜6枚目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)、または、栗田直幸さんのウェブサイトStellar Scenesの写真です。
2〜6枚目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)、または、栗田直幸さんのウェブサイトStellar Scenesの写真です。
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