2023年01月28日

ZTF彗星が地球に接近

★ ZTFズィーティーエフ彗星すいせい(C/2022 E3)が地球に接近せっきんしています。地球に最接近さいせっきんするのは2月1日夜(2月2日未明みめい)ですが、その前後10日間くらいも見られそうです。

★ 明るさは5〜6等級とうきゅうで、街中まちなかでは肉眼にくがんで見ることはできないので、なるべく暗い場所で双眼鏡そうがんきょう観察かんさつしてみましょう。彗星の頭にあたるコマという部分がぼんやりと広がって見えます。彗星のを見るのはむずかしいしいでしょう。

★ ZTF彗星は1月まつから2月前半にかけて、きりん座→ぎょしゃ座→おうし座を通過してゆきます。1月下旬げじゅんだと一晩中ひとばんじゅう、2月上旬じょうじゅんだと空が暗くなってから深夜2時ごろまで見れるいち置にあります。毎晩見える位置がかわるので、下の図やComet Bookなどのアプリでで位置をたしかめてください。

★ ZTF(Zwicky Transient Facility)は、全天の突発とっぱつ天体現象げんしょう(短時間で明るさがかわるような天体現象)をくまなく観測かんそくしているアメリカのプロジェクトです。5年間の観測で、6,600超新星ちょうしんせい、230個の小惑星しょうわくせいと彗星を発見しています。
ZTF彗星(C/2022 E3)は、ZTFによる観測で2022年3月に発見された彗星です。今回太陽と地球に接近した後、太陽系たいようけいのかなたにんでいってしまい、二度ともどってこないと考えられています。

(1枚目の画像は 国立天文台 より引用。2枚目の画像はプラネタリウムソフト Stellarium で作成。)
ZTF彗星_20230128.jpg
ZTF彗星_20230128b.png
タグ:彗星
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2023年01月27日

金星が観望好期

★ 1月下じゅん〜7月中旬、日の入り後の南西〜西の空に金星が見えます。金星は太陽から47度以上いじょうはなれないので、日の入り後の西の空(よいの明星みょうじょう)か、日の出前の東の空(あけの明星)でしか見れません。

★ 金星は1等星の100倍以上いじょうの明るさなので肉眼にくがんでもすぐに見つけることができます。日の入り後に見える位置いちは、1月から5月にかけて日に日に右上方向に高くなり、5月にもっとも高くなります。その後、6月から7月にかけて日に日に低くなり、7月下旬には見えなくなります。9月からは明けの明星として明け方の東の空に見えます。
★ 4月ごろまでは望遠鏡ぼうえんきょうで見ても小さくしか見えませんが、5月以降いこうは大きく見え、けの形も観察かんさつしやすくなります。金星の満ち欠けについては、5月ごろにあらためてお知らせします。

金星_20230116-0716.png
(画像はプラネタリウムソフト Stellarium で作成。)
タグ:金星
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2023年01月22日

1〜2月の月

★ 1〜2月の月の満ち欠けと出入り時刻です。
日の入り後〜21時ごろの時間に月が観察かんさつできるのは、1月24日〜2月8日の間です。その後、2月9日〜2月23日ごろは、日の入り後〜21時ごろの時間、月明かりがなく星が観察しやすくなります。

 日付  月の出 月の入り
01/22 07:33 17:32 ● 新月
     23 08:19 18:50 ★ 金星、土星と接近せっきん
     24 08:57 20:04
     25 09:30 21:15
     26 10:00 22:22 ★ 木星と接近せっきん
     27 10:28 23:26
     28 10:56 00:30(翌日よくじつ
     29 11:25 01:32( 〃 ) ◐ 半月(上弦じょうげん
     30 11:58 02:34( 〃 )
     31 12:35 03:34( 〃 ) ★ 火星と接近せっきん
02/01 13:17 04:30( 〃 )
     02 14:05 05:22( 〃 )
     03 14:58 06:07( 〃 )
     04 15:55 06:46( 〃 )
     05 16:54 07:20( 〃 )
     06 17:52 07:50( 〃 ) ○ 満月
     07 18:51 08:17( 〃 )
     08 19:48 08:42( 〃 )
     09 20:46 09:06( 〃 )
     10 21:44 09:31( 〃 )
     11 22:43 09:58( 〃 )
     12 23:46 10:28( 〃 )

月の満ち欠け2023.jpg
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2023年01月20日

水星が観望好期

★ 1月20日〜2月3日ごろ、日の出前の南東のひくい空に水星が見えます。
水星は太陽から28度以上いじょうはなれないので、上ってから1時間もすると空が明るくなってしまい、ごくわずかな時間しか見ることができません。1月20日〜2月3日ごろは、日の出前の水星の高さが10度近くあり、観望かんぼう好期こうきです。

★ 水星はとてもひくくに(地平線からの高さが5〜10度)見えるので、南東の方向に見晴らしのよい場所で、朝6時〜6時半ごろに観察かんさつしてみましょう。日の出前の高さがもっとも高いのは1月25日ですが、水星は日に日に明るくなるので、期間の後半のほうが見つけやすいでしょう。1等星の数倍の明るさなので肉眼にくがんで見えますが、双眼鏡そうがんきょうがあればさがしやすいでしょう。太陽をあやまって見ないため、双眼鏡での観察は太陽が上る7時までには終えるようにして下さい。

水星の次の観望好期は、4月上旬の夕方です。

水星_20230119-0203.png
(画像はプラネタリウムソフト Stellarium で作成。背景の星のは1/25の配置。)
タグ:水星
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2023年01月19日

CSS(中国宇宙ステーション)の上空通過

★ CSS(中国宇宙うちゅうステーション)の上空通過つうかが、1月19日〜31日の夜に見られます。

いずれも、西方向から東方向へ通過つうかしてゆきます。
【見える時間】
 1/19 18:25 → 18:29(地球のかげに入り光らなくなる)
 1/21 18:04 → 18:09
 1/23 17:42 → 17:48
 1/27 18:35 → 18:39(地球のかげに入り光らなくなる)
 1/29 18:13 → 18:18
 1/30 18:50 → 18:54(地球のかげに入り光らなくなる)
 1/31 17:51 → 17:57
(※ 他に見られる日時もありますが、奈良からのきょりが遠く、観察かんさつがむずかしいものはのせていません。また、CSSの軌道きどう変更へんこうにより、通過時刻じこくが2〜3分ずれることがあります。)

★ CSS(中国宇宙ステーション)は、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうを使わなくても、まちなかで肉眼にくがんで見えます。色はクリーム色っぽい白。飛行機ひこうきかと思うくらい明るい(1等星の数倍〜十数倍の明るさ)ですが、チカチカ点滅てんめつせず音もしないので、飛行機と区別くべつがつきます。

★ CSSは中国が建設けんせつした宇宙ステーションです。2021年4月に建設を始めて、2022年11月に長さ20mはば36mの宇宙ステーションが完成しました。

★ 次回は3月8日ごろに見られる予定です。


CSS_20230119.png
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(画像は「Heavens Above」https://www.heavens-above.com/ より作成)
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2023年01月16日

ISS(国際宇宙ステーション)の上空通過

★ ISS(国際こくさい宇宙うちゅうステーション)の上空通過つうかが、1月16日〜19日の夜に見られます。
特に17日は奈良のほぼ真上を通過しますので、とても明るく見えます(マイナス3.8等級、1等星の80倍の明るさ)。
いずれも、南西方向から北東方向へ通過してゆきます。
【見える時間】
 1/16 18:48 → 18:51(地球のかげに入り光らなくなる)
 1/17 17:59 → 18:05
 1/19 17:59 → 18:05
(※ 他に見られる日時もありますが、奈良からのきょりが遠く、観察かんさつがむずかしいものはあげていません。また、ISSの軌道きどう変更へんこうにより、通過時刻じこく予報よほうから2〜3分ずれることがあります。)

★ ISS(国際宇宙ステーション)は、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうを使わなくても、まちなかで肉眼にくがんで見えます。色はクリーム色っぽい白。飛行機ひこうきかと思うくらい明るい(1等星の数十倍の明るさ)ですが、チカチカ点滅てんめつせず音もしないので、飛行機と区別くべつがつきます。

★ 次は2月3日ごろに見られる予定です。

ISS_20230116.png
ISS_20230117_orbit.jpeg
ISS_20230117.png
ISS_20230119.png
(画像は「Heavens Above」https://www.heavens-above.com/ より作成)
タグ:ISS
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2023年01月11日

季節の星座案内 〜オリオン座〜

★ 2つの1等星ベテルギウスとリゲル、5つの2等星があり、全天でもっとも見つけやすい星座でしょう。20時〜21時ごろの時間だと、12月〜3月ごろに見ることができます。

星図カラー2023年01月.png

★ オリオン座の物語
古代メソポタミア時代(今から6千年〜4千年くらい前)は、羊いの星座でした。
ギリシャ神話では、海の神ポセイドンの息子で狩人かりゅうど巨人きょじんオリオンのすがたとされています。キオス島のライオンを退治たいじした棍棒こんぼうを右手に、そのライオンの毛皮を左手に持ったすがたでえがかれます。

オリオン座a.png

★ オリオン座の天体
★ ベテルギウス
オリオン座の左上にあるオレンジ色の1等星です。地球から550光年のきょりにあり、大きさが太陽の1000倍という超巨星ちょうきょせいです。星の一生の最期さいごをむかえて不安定ふあんていになっていると考えられていて、明るさが2〜3倍変化へんかします。2020年はじめには2等星にまで暗くなったことがあります。
★ リゲル
オリオン座の右下にある青白色の1等星です。地球から900光年のきょりにあり、明るさが太陽の20万倍というとても明るい星で、1万光年はなれていたとしても肉眼にくがんで見ることができます。リゲルはアラビア語で「足」という意味です。
★ 三ツ星と「S」
オリオンのベルトの位置いちにミンタカ、アルニラム、アルニタクの三つの2等星がならんでいます。3つの星をつないだ線を左下にずっとのばすと、おおいぬ座の1等星シリウスがあります。双眼鏡そうがんきょう望遠鏡ぼうえんきょうで見ると、ミンタカとアルニラムの間に「S」の字に星がならんでいるのが分かります。
★ Mメシエ42(オリオン大星雲)Mメシエ43
とても明るい星雲で、肉眼でも三ツ星の下にぼんやりと見えます。双眼鏡や望遠鏡を使うとよりはっきり見ることができます。
★ ラムダラムダ(Crコリンダー69)
ベテルギウスの右上の4等星、オリオン座λラムダ星のまわりの星団です。λラムダ星が「λラムダ」の形にならんでいるので、ラムダラムダと呼ばれています。
★ オリオンのたて、オリオン座W星
オリオン座の右がわに、6つの3等星〜5等星がたてにならんでいます。上からπパイ1、π2、π3、π4、π5、π6と名前がついています。星座絵ではライオンの毛皮にえがかれる事が多いですが、星のならびはオリオンの「盾」とよばれます。
π5星からπ6星の先にオレンジ色の6等星オリオン座W星があります。炭素たんそ星というしゅるいのとても赤い星です。

オリオン座b.png
三ツ星とS.png
M42.png
λOri.png
πOri.png

むらさき色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜7まい目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
リンク先はNASAのAPOD (今日の1枚、Astronomy Picture of the DAY)の写真です。

タグ:星座
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2023年01月04日

しぶんぎ座流星群

★ 三大流星群りゅうせいぐんの1つ、しぶんぎ座流星群の活動がピークをむかえます。1月4日3時(未明みめい)〜6時ごろにかけて、1時間あたり5くらいの流れ星が見られると予想されます。
今年は月明かりもあり、ピーク時刻じこくも4日昼と予想されているので、条件じょうけんはあまりよくないです。明け方近くの方が月の高さもひくく、ピーク時刻に近くなるので、よりたくさんの流れ星を見ることができるでしょう。
★ 流れ星は、宇宙うちゅうにある大きさ1ミリ〜数センチメートルくらいの小さなつぶが秒速数十キロメートルの速さで地球にとびこんで来て、大気と衝突しょうとつして光を放つ現象げんしょうです。「しぶんぎ座」というのは、うしかい座とりゅう座の間に昔あった星座で、現在げんざいはありません。昔あったしぶんぎ座の方向(「放射点ほうしゃてん」といいます)からつぶがとびこんでくるので、「しぶんぎ座流星群」という名前がついています。しかし、流れ星はしぶんぎ座にかぎらず、夜空のどこにでもあらわれるので、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうは使わず、肉眼にくがんで夜空全体を観察かんさつしましょう。
★ 街灯がいとうや家のあかりが目に入らない、なるべく暗い場所で観察しましょう。西の方角に月明かりがありますので、月の方は見ないようにしましょう。暗い場所に行ってから、暗さになれて流れ星が見えるようになるまで時間がかかります。少なくとも20分間は観察をつづけましょう。また、冬の屋外はとてもひえます。寒くない服装ふくそうで観察しましょう。

しぶんぎ座流星群_20230104.png
タグ:流星群
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