2022年12月30日

月面X

★ 12月30日の19時半〜21時ごろ、月面に「X」の文字があらわれます。ブランキヌス、ラカイユ、プールバッハの3つのクレーターの境界きょうかい部分に、真横から太陽光が当たることで「X」の文字がうかび上がって見える現象げんしょうです。
肉眼にくがんでは観察かんさつできませんので、望遠鏡ぼうえんきょうで見てみましょう。10倍くらいの双眼鏡そうがんきょうでも、三脚さんきゃくなどでしっかり固定こていすれば観察することができます。また、月のかけぎわが正面にあって、月正面のクレーターが観察しやすい時期でもありますので、他のクレーターも観察してみましょう。

★ 月面Xは、月が1回けする間(およそ30日)の間に1時間ほどしか見られず、かつ、その時間が夜間で、さらに、月がのぼっているという条件じょうけんがつくので、月食ほどではないですがめずらしい現象です。この後、2023年中は夜間に月面Xを見ることはできません。次に夜間に月面Xを見られるのは、2024年1月18日です。

月面X_20221230b.jpg
(画像は NASA Scientific Visualization Studio より作成。左下丸囲みは12時間後の同じ場所のようす。)
タグ:月面X
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2022年12月29日

月と木星が接近

★ 12月29日夜、月と木星の接近せっきんが見られます。18時〜22時ごろ、肉眼にくがんで見ることができます。
18時ごろで3度(満月まんげつ6こ分)、22時ごろで2度(満月4こ分)に接近して見えます。どの時間でも、双眼鏡そうがんきょうで月と木星を同じ視野しやに見ることができます。

月・木星_20221229.png
(画像はプラネタリウムソフト Stellarium で作成。月は2.5倍に、木星、土星は60倍に拡大して描いています。)
タグ: 木星
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2022年12月24日

季節の星座案内 〜ぎょしゃ座〜

★ 1等星カペラ、2つの2等星、2つの3等星で作られる5角形が見つけやすい星座です。ただし、2等星のエルナトはおうし座の星です。2022〜23年の冬は明るい火星がそばにあるので、より見つけやすでしょう。20時〜21時ごろの時間だと、11月〜4月ごろに見ることができます。
ぎょしゃ座は天の川が真ん中を流れていますので、たくさんの星々を見ることができます。

星図カラー2023年01月.png

★ ぎょしゃ座の物語
古代メソポタミア時代(今から6千年〜4千年くらい前)は、羊い(山羊飼い)のつえと羊(山羊)のむれを表していました。

ギリシャ神話では、戦車せんしゃをあやつるアテナイ(現在げんざいのアテネ)王のエリクトニオスとされています。戦車といっても現代のような戦車ではなく、戦争用の馬車(チャリオット)のことです。エリクトニオスは戦車に乗っているのですが、古代メソポタミア時代からのなごりなのか、子ヤギをだいた姿すがたでえがかれます。

ぎょしゃ座a.png

★ ぎょしゃ座の天体
★ カペラ
うす黄色の1等星です。地球から43光年のきょりにあります。カペラはラテン語でメスヤギという意味です。
★ 子ヤギ
ぎょしゃ座は子ヤギをだいた姿でえがかれるのですが、カペラの右下にある3つの3〜4等星が子ヤギにあたります。3つの星は、白色、青白色、オレンジ色と少しずつ色がちがうので、双眼鏡そうがんきょうで見くらべてみましょう。
★ チェシャねこ
『ふしぎの国のアリス』に登場するチェシャ猫のような、ニヤッとわらった大きな口と2つの目のように星がならんで見えます。双眼鏡で観察かんさつしてみましょう。
★ Melメロッテ31
5〜6等星が5つ細長くならんでいます。星のならびが「はねる小魚」に見えるという人もいます。双眼鏡で観察してみましょう。
★ Mメシエ36
地球から4100光年のきょりにある星団せいだん(星の集まり)です。双眼鏡ではぼんやりとした光のにじみのように見えます。望遠鏡を使うと、明るい星が数十個集まっている様子が観察できます。
★ Mメシエ37
地球から4500光年のきょりにある星団(星の集まり)です。双眼鏡ではぼんやりとした光のにじみのように見えます。望遠鏡を使うと、暗い(細かい)星が無数に集まっている様子が観察できます。

ぎょしゃ座b.png
子ヤギ.png
M36、チェシャ猫、Mel31.png
M37.png


紫色の大きい円は8倍くらいの双眼鏡で見えるはんい(7度)、水色の小さい円は16倍の望遠鏡(国立天文台望遠鏡キットなど)で見えるはんい(2.5度)です。
2〜6枚目の図はプラネタリウムソフト Stellarium をもとに作成しました。
タグ:星座
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2022年12月23日

12月〜1月の月

★ 12〜1月の月の満ち欠けと出入り時刻です。
日の入り後〜21時ごろの時間に月が観察かんさつできるのは、12月25日〜1月10日の間です。その後、1月11日〜1月24日ごろは、日の入り後〜21時ごろの時間、月明かりがなく星が観察しやすくなります。

★ 12月30日は半月ですが、月面にXの文字が現れる「月面X」が見られます。

 日付  月の出 月の入り
12/23 06:47 16:22 ● 新月
     24 07:56 17:30
     25 08:57 18:45
     26 09:47 20:01
     27 10:28 21:14
     28 11:02 22:24
     29 11:32 23:30
     30 11:59 00:34(翌日よくじつ) ◐ 半月(上弦じょうげん
     31 12:26 01:36( 〃 )
01/01 12:54 02:37( 〃 )
     02 13:24 03:39( 〃 )
     03 13:58 04:40( 〃 )
     04 14:36 05:39( 〃 )
     05 15:20 06:34( 〃 )
     06 16:10 07:24( 〃 )
     07 17:04 08:08( 〃 ) ○ 満月
     08 18:02 08:46( 〃 )
     09 19:00 09:18( 〃 )
     10 19:59 09:47( 〃 )
     11 20:56 10:13( 〃 )
     12 21:54 10:38( 〃 )
     13 22:51 11:02( 〃 )
     14 23:50 11:28( 〃 )

月面X_20221230.jpg
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2022年12月18日

水星が観望好期

★ 12月18日〜28日ごろ、日の入り後の南西の空ひくくに水星が見えます。
水星は太陽から28度以上いじょうはなれないので、空が暗くなってから1時間もするとしずんでしまい、ごくわずかな時間しか見ることができません。12月18日〜28日は、日の入り後の水星の高さが10度近くあり、観望かんぼう好期こうきです。

★ 水星はとても低くに(地平線からの高さが5〜10度)見えるので、南西の方向に見晴らしのよい場所で、夕方17:30〜17:50ごろに観察かんさつしてみましょう。日の入り後の高さがもっとも高いのは12月24日ですが、水星は日に日に暗くなるので、期間の前半のほうが見つけやすいでしょう。1等星の数倍の明るさなので肉眼にくがんで見えますが、双眼鏡そうがんきょうがあればさがしやすいでしょう。太陽をあやまって見ないため、観察は太陽がしずむ17:00以降いこうにして下さい。

★ 25日には三日月が左上に見えるので目印めじるしになります。また、高さが低いので見るのがむずかしいですが、期間中、金星が右下から近づいてきます。

水星の次の観望好期は、1月下旬の明け方です。

水星_20221219-1228.png
(画像はプラネタリウムソフト Stellarium で作成。背景の星は12/25の配置。月は2.5倍に拡大しています。)
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2022年12月14日

ふたご座流星群

★ 12月14日、ふたご座流星群りゅうせいぐんの活動がピークをむかえます。
ふたご座流星群の流れ星は、12月7日ごろから17日ごろまで現れていますが、とくに13日21時ごろ〜14日5時ごろにかけて1時間あたり5〜10個、14日21時ごろ〜15日5時ごろにかけて1時間あたり10個くらいの流れ星が見られると予想されます。

★ 流れ星は、宇宙うちゅうにある大きさ1ミリ〜数センチメートルくらいの小さなつぶが秒速数十キロメートルの速さで地球にとびこんで来て、大気と衝突しょうとつして光を放つ現象げんしょうです。ふたご座の方向(「放射点ほうしゃてん」といいます)からつぶがとびこんでくるので、「ふたご座流星群」という名前がついています。しかし、流れ星はふたご座にかぎらず、夜空のどこにでも現れるので、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうは使わず、肉眼にくがんで夜空全体を観察かんさつしましょう。

★ 街灯がいとうや家のあかりが目に入らない、なるべく暗い場所で観察しましょう。東の方角に月明かりがありますので、月の方は見ないようにしましょう。暗い場所に行ってから、暗さになれて流れ星が見えるようになるまで時間がかかります。少なくとも20分間は観察をつづけましょう。
また、冬の屋外はとてもひえます。寒くないかっこうで観察しましょう。

ふたご座流星群_20221214.png
タグ:流星群
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2022年12月10日

星空観察教室を開催しました

★ 今年度第6回の星空観察かんさつ教室を、けいはんなオープンイノベーションセンター(精華町/木津川市)で開催かいさいしました。

★ 今回もお天気にめぐまれ、おうし座のプレアデス星団せいだんやヒアデス星団、犬の形に星がならんだ「デイビスの犬」、ペルセウス座のMelメロッテ20星団、二重星団、おひつじ座のつのの星のならび、天王星などを双眼鏡そうがんきょうで観察することができました。

★参加さんかいただいたみなさま、ありがとうございました。これで最終回さいしゅうかいとなりましたが、このホームページの記事を参考さんこうに、引きつづきおうちでも星空観察を楽しんできただければと思います。

星空観察教室_20221210a.jpg
星空観察教室_20221210b.jpg
星空観察教室_20221210c.jpg
星空観察教室_20221210d.jpg
星空観察教室_20221210e.jpg
タグ:星座 双眼鏡
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2022年12月09日

CSS(中国宇宙ステーション)の上空通過

★ CSS(中国宇宙うちゅうステーション)の上空通過つうかが、12月9日〜12日の夜に見られます。

いずれも、北西〜西方向から南東〜東方向へ通過つうかしてゆきます。
【見える時間】
 12/09 17:46 → 17:50
 12/10 18:24 → 18:27(地球のかげに入り光らなくなる)
 12/11 17:26 → 17:32
 12/12 18:05 → 18:10
(※ 他に見られる日時もありますが、奈良からのきょりが遠く、観察かんさつがむずかしいものはあげていません。また、CSSの軌道きどう変更へんこうにより、通過時刻じこくが2〜3分ずれることがあります。)

★ CSS(中国宇宙ステーション)は、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうを使わなくても、まちなかで肉眼にくがんで見えます。色はクリーム色っぽい白。飛行機ひこうきかと思うくらい明るい(1等星の数倍〜十数倍の明るさ)ですが、チカチカ点滅てんめつせず音もしないので、飛行機と区別くべつがつきます。

★ CSS(中国宇宙ステーション)は、中国が建設けんせつした宇宙ステーションです。今年7月に実験じっけんモジュール「問天もんてん」、11月1日に実験モジュール「夢天むてん」をドッキングし、長さ20mはば36mの宇宙ステーションが完成しました。

★ 次回は来年1月17日ごろに見られる予定です。


CSS_20221209.png
CSS_20221210.png
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CSS_20221210_orbit.jpeg
(画像は「Heavens Above」https://www.heavens-above.com/ より作成)
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2022年12月05日

ISS(国際宇宙ステーション)の上空通過

★ ISS(国際こくさい宇宙うちゅうステーション)の上空通過つうかが、12月5日〜8日の夜に見られます。
特に8日は奈良のほぼ真上を通過しますので、とても明るく見えます(マイナス3.9等級、1等星の90倍の明るさ)。
いずれも、北西方向から南東方向へ通過してゆきます。
【見える時間】
 12/05 18:11 → 18:14(地球のかげに入り光らなくなる)
 12/07 18:11 → 18:17
 12/08 17:23 → 17:30
(※ 他に見られる日時もありますが、奈良からのきょりが遠く、観察かんさつがむずかしいものはあげていません。また、ISSの軌道きどう変更へんこうにより、通過時刻じこく予報よほうから2〜3分ずれることがあります。)

★ ISS(国際宇宙ステーション)は、望遠鏡ぼうえんきょう双眼鏡そうがんきょうを使わなくても、まちなかで肉眼にくがんで見えます。色はクリーム色っぽい白。飛行機ひこうきかと思うくらい明るい(1等星の数十倍の明るさ)ですが、チカチカ点滅てんめつせず音もしないので、飛行機と区別くべつがつきます。

★ 次は来年1月14日ごろに見られる予定です。

ISS_20221205.png
ISS_20221207.png
ISS_20221208.png
ISS_20221208_orbit.jpeg
(画像は「Heavens Above」https://www.heavens-above.com/ より作成)
タグ:ISS
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2022年12月04日

天体観望会 中止のお知らせ

本日12月4日、けいはんな記念公園で予定しておりました天体観望会は、曇天のため中止といたします。楽しみにされていたみなさま、申し訳ございません。
 次回は来年3月5日(日)19:00〜21:00を予定しています。ご参加お待ちしています。
曇天中止
タグ:天体観望会
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